日本で増えつつある介護難民問題の実情

「介護難民」とは、介護が必要な状態である65才以上の人の中で、施設への入所ができないだけでなく、家庭における介護サービスすら適切に受けられない人のこと。

そして、このような環境にある人が急増していることが、介護業界のみならず、国全体にとっても大きな問題としてとらえられ、近年、注目を集めています。

介護難民が増加している最も大きな理由は、深刻な少子高齢者にあります。
国の統計によれば、日本の総人口は減少をたどっています。それなのに、高齢者の数は増加し続けています。将来的にも高齢化がさらに進むことは避けられず、2060年頃には約4割もの人がが65才以上の高齢者になると考えられています。

高齢者の増加に伴い、要介護認定を受ける人の数も増加していて2000年には256万人だったものが、2014年には606万人へと飛躍的に増えています。この高齢化のスピードは尋常なものではなく、早急な対策が求められています。

さらに、介護難民の問題を深刻化させているのが、介護に携わる人材の不足。多くの事業所が人材を確保することが難しい状況にあります。

この問題を解決するには、国の対策が急務となっています。
その一つとして、国は地域包括ケアシステムを構築し、地域密着型で高齢者を支える「地域包括支援センター」という方向性を打ち出しました。

さらに、介護難民の対策として、高齢になっても介護を必要としない健康な体づくりの重要性も言われるようになりました。そこで国は介護予防のサポートに力を入れており、高齢者に対する健康管理の声かけが行われています。

色々な対策を取っていますが、労働者不足が解消される可能性は極めて低いといえます。そのため、外国人労働者を雇ったり、介護ロボットを導入したりする対策により力を入れていく必要があるでしょう。